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キノプラ太-矢野の仕事が無いAV監督日記。

AV監督、キノプラ太-矢野の仕事覚え書き。

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AVをつくるということ。2

AVを作っている立場で書きます。

何年か前にあるAVメーカーがモデルに説明もなく、強引に多量のアルコールや薬物を飲ませ抵抗力をなくさせて、20人以上(らしい)の男優?たちに監禁、暴行、を加えられ、頭を水中に押し込んで窒息させられたり、膣に異物を入れ膣を破壊させられる集団レイプものの撮影?をし、関係者が逮捕された事件があったのを今日知って、調べてみた。

女優が本気で嫌がり抵抗するさまが面白い、それを精神的にも肉体的にも破壊するのがテーマなのだそうだ。
女優には「軽いレイプもの」というふうにしか説明していない(当たり前だけど、知ってたら誰もやらない。AVでいうレイプものというのは本当にレイプするわけではなく同意の上でレイプ風に見える内容を撮るということである。撮影によって実際に女優の肉体にも精神にも危害が加えられてはならないのです。仕事なのだから当然のことです)。
が、所属事務所には話が通っていたらしい。
つまり、女の子は見捨てられたわけです。

このメーカーはこういう商品を多数販売し、現在も違うメーカーの名前で販売している。
そして多分、一部のマニア相手?には売れているようだ。

現在も審理中みたい。

パッケージ写真も見たけど、酷いわ、こりゃ。こんな内容でも女優がOKしてやってるなら仕事としてOKだけど、本当にレイプしてどうすんの?

こんなのを「自主規制」しない倫理団体や、明らかな犯罪なのに排除しないAV業界なら、やっぱり人が言うように「糞や害虫の集団」でしかないでしょう。僕はAVから離れて全然情報のないところにいたから知らなかったけど、これじゃ確かに知人にも家族にも言えない職業だわ。
僕も家族に罵られても反論できません。

女の子を集団の暴力で破壊する行為を好んでする男たちがいる。
AVという映像メディアの影響が全てではないが影響がないとも言えない。少なくとも撮っている人間は結果を自己責任として受け入れる義務があると思う。

足立区の女子高生監禁殺害、スーパーフリー、ペッパーランチ、小学生による集団レイプ(これはまさにAVを真似たらしいが)。
それが人間の本能だとしても助長してはいけない。

まあ、ここの会社の監督とか社長だのカメラマンだのは素人だとしても、業界全体の利益としてモラルとして、作り手としての誇りのためにも業界から追放すべきであったと思う。いくらこのメーカーが金持っていようと、裏社会とつながっていようと、業界そのものを貶めるなら反対すべきだと思う。それをしないで自分のメーカーだけは清く正しくやってます、芸術的な内容です、って言っても意味ないんじゃないかな。
すくなくとも僕はAV監督をしていて、こんな事件を聞くと恥ずかしいし、今この瞬間にも、何も聞かされていない女優が恐怖と暴力にさらされていると思うと辛くてならない。

昨日書いた、AVの一般化だって無理だよ。これじゃ。

こんなこと書いてたら僕、殺されちゃうのかな?

でも少なくともAVを映像の可能性として評価し一般の人にも見てもらえる「作品」として止揚していく気にはならなくなっちゃった。

勿論、性にも明と闇がありその両方の姿を見せることができるのがAVなのだよ、見てる人に「陵辱より愛情のあるセックスがいいよね」って思わせられる性愛の姿を見せるのもAVの使命なのかもしれないけれど・・・。でも女優を犠牲にしちゃいかんよ。

犠牲になってしまった沢山の女性たちが体と心が傷ついてどうなったのか気がかりです。
PTSDなんかになったら(なるだろうけど)一生引きずることになります。彼女たちはAVを憎み、周りの人々もAVを憎み、AVを見る人を憎み、憎まれた男たちは女性を憎むのでしょう。

こういうのを倫理団体が監視できないなら、AVそのものを法的に前面規制せざるをえないんじゃないかしら?

もしくは、倫理団体も警察も国家もAVの皆さんも「自分の利益のために」彼女たちを見殺しにするのかしら?
  1. 2007/12/30(日) 23:38:32|
  2. AVを作ること
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AVを作るということ。

先に書いた美奈淫行もそうなのですが、僕の企画でタブーであるらしいのが「銀河鉄道の夜」ネタと「世界の終わり」ネタです。
この二つのモチーフにした物語は常に撮りたいし、AVでなく自身の作品としても撮りたいのですが、このモチーフを出すと必ず企画が座礁するのです。
銀河鉄道はGAS時代に何度も「いや、こういうのじゃなくて、もっとこう女の子の初恋みたいなミニマルな話にしてよ」と言われ、一度、高槻監督との共同監督の中の1コーナーでやる話にこぎつけたけれど、高槻パートのドキュメントに当てられて、ドラマを全く撮れなくなってしまった事もありました。それで今回真鍋でやってみたら案の定です。
「世界の終わり」ネタはV&Rさんで6年くらいまえにやりました。本当は3部作なので残りの話を撮りたいのですが、こちらはもう完全に駄目です。見てはならない台本を読んでしまったような反応が何処からも戻ってきます。ここまで来るともう晴れ晴れとした気分ですらあります。
それもAVでは前衛の方向のプロデューサーの方々だったので、これはもう無理なのでしょう。
いいです。30年後くらいに自分で撮りますから。

さて、僕は仕事がありません。12月に一本作ったのですが、それだけで、以降の予定はないです(企画が進んでいるのはあるけれど、これは無理かもしれない)。
で、ビデオザワールドとかの批評誌で「映像詩」とか褒めていただくと嬉しいのですが、一向に仕事につながるわけではない。復帰してから一年半、多分10本撮ってないです。
なんでこんなに仕事がないのか?
まず、僕が撮るものが売れないから。水谷りんのとかはHIBINOで過去最低の売り上げで「その話はしたくない」とまで言われる始末で、真鍋美奈や南雲ひなも「駄目だね」と言われる状態で、決して手を抜いてるつもりはなく、エロもちゃんとあるはずなのに売れないという始末で。
売れない理由は、ドラマの場合、内容がパッとしない、だからタイトルやパッケージもパッとしたものが出来ない、で売れない。のだそうです。
その通りで、僕自身AVのドラマものを買いたいと思わないし、タイトルを聞いても「おっ!それ、そそるねぇ!」と思わないからです。だから結局、僕は映画好きが高じて映画監督になりたかったけどなれなかったからAVやってます、みたいな気分がにじんでいるんだと思います。
だからAVとして売れようがない。売りようもない。

サブカルAVの路線で売ることもできたかもしれないけど、実際レンタルからセルに移行したときにそんな場所も無いに等しいし、僕より尖った人が沢山いるのでそれも無理なんです。
そこで出た選択肢が「普通のAV」を撮るというものでした。とりあえずケレン味は押さえて量産型AVを作ろうと。それがGASでやった何本かなのですが、これがそんなに売れたのかというとそうでもないみたいだし、内容も中途半端だし、でもそれが仕事につながると見込んで頑張りましたが。
アリスジャパンの仁科さやかはあちこちで褒めていただきました。
でも仕事にはつながりませんでした。レンタルものだし、あれが多分僕のでは人目に一番付いてると思います。仕事がわんさかくるかと思ったのですが・・・。

「矢野さんの書く台本には、AVのお客が拒否しそうな部分が多々見受けられ、心配です」と某プロデューサーに言われたように、絡みが撮ってあるからいい、ということではなく何かこう不快なものがあるのでしょう・・・と思わざるをえません。僕としては自分の作るものはAV界の「ガンダム」であり、「ビューティフルドリーマー」であり、「エヴァ」でありたいと思ってますが力不足ということでしょう。
AVは作品ではない。
AVは商品であり、売れ残った商品は廃棄されるのみ。
内容で買うマニアもいない。エロのフェチや女優の好みで買う人はいても、内容や監督の好みで買う人はいない。いたとしても売り上げに関わる数字にはならない。
AVを作品として評価し、ライトファン層に敷衍していく批評家、メディアがない。
僕はAVをアニメ界と重ねて考えるクセがあるのだが、アニメも子供向けの玩具宣伝番組という蔑視のなかで作られていたけれど、その制約のなかで見事な深いドラマとテーマ性を描き、それが「評価され」、「一般に認知され」、「思想の一形態にまで止揚」された歴史をAVにも持ってきたかったわけです。
だから僕は富野さんじゃないから出来なかったけど、せめてもう少し批評の場が一般化してればねぇ・・・と思います。ビデオザワールドがキネ旬くらいの地位にあれば、僕でもズラウスキーぐらいの立場には・・・・・・いや無理か。
今じゃアニメ見るって言うの恥ずかしくないじゃん。僕らが学生の頃はアニメ見てるヤツって変なヤツだったんだもん。
AVって映画の1ジャンルだし、女の子が本当にセックスして生な感情をさらけ出してるドキュメンタリーとしては映画を超えてるし、生と性のリアルを描けるいいメディアだと思うんだけどねぇ。映画なら淀川長治さん、アニメなら池田憲生さんみたいな批評家がいて欲しい部分ですね。別に僕のが面白いって言ってるわけではなく、面白いAVなんて沢山あるはずなのに、それをデータ化して資料として閲覧、視聴できる環境にもっていければAVは変わると思うけどなぁ。
でもアニメがこれだけ産業として成長したのは、アニメを見る目が肥えてきて、いいアニメをみんなが購入したい、と考えるようになったからじゃないかな?ご飯のついでに見てたアニメが実は傑作だった!そういう認知がアニメを宝の山に変えたのだと思う。

・・・・・・・・・・だって、パッケージにつられて買って、中身が良くても悪くてもせんズリして、売ったり捨てたり、売れないものは買われぬまま廃棄処分。そんなAVを一生懸命作ってる自分たちって「まるで、馬鹿じゃないですか?」
いまどき、中身の良く分からないものを詐欺まがいに売りつけてるのもおかしいし、せめて店頭で視聴できるくらいにしないと売れるものも売れないと思う。レコードのジャケ買いしてた時代じゃないし、中身に自信がある弱小メーカーなら店頭でサンプルを長く見せるとか工夫が必要な気がします。ほしいものなら僕でも買うもん。

でも全部、負け惜しみです。作家売れしてるAV監督も一杯いますもんねぇ。
  1. 2007/12/30(日) 02:49:11|
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