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キノプラ太-矢野の仕事が無いAV監督日記。

AV監督、キノプラ太-矢野の仕事覚え書き。

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AVを作るということ。

先に書いた美奈淫行もそうなのですが、僕の企画でタブーであるらしいのが「銀河鉄道の夜」ネタと「世界の終わり」ネタです。
この二つのモチーフにした物語は常に撮りたいし、AVでなく自身の作品としても撮りたいのですが、このモチーフを出すと必ず企画が座礁するのです。
銀河鉄道はGAS時代に何度も「いや、こういうのじゃなくて、もっとこう女の子の初恋みたいなミニマルな話にしてよ」と言われ、一度、高槻監督との共同監督の中の1コーナーでやる話にこぎつけたけれど、高槻パートのドキュメントに当てられて、ドラマを全く撮れなくなってしまった事もありました。それで今回真鍋でやってみたら案の定です。
「世界の終わり」ネタはV&Rさんで6年くらいまえにやりました。本当は3部作なので残りの話を撮りたいのですが、こちらはもう完全に駄目です。見てはならない台本を読んでしまったような反応が何処からも戻ってきます。ここまで来るともう晴れ晴れとした気分ですらあります。
それもAVでは前衛の方向のプロデューサーの方々だったので、これはもう無理なのでしょう。
いいです。30年後くらいに自分で撮りますから。

さて、僕は仕事がありません。12月に一本作ったのですが、それだけで、以降の予定はないです(企画が進んでいるのはあるけれど、これは無理かもしれない)。
で、ビデオザワールドとかの批評誌で「映像詩」とか褒めていただくと嬉しいのですが、一向に仕事につながるわけではない。復帰してから一年半、多分10本撮ってないです。
なんでこんなに仕事がないのか?
まず、僕が撮るものが売れないから。水谷りんのとかはHIBINOで過去最低の売り上げで「その話はしたくない」とまで言われる始末で、真鍋美奈や南雲ひなも「駄目だね」と言われる状態で、決して手を抜いてるつもりはなく、エロもちゃんとあるはずなのに売れないという始末で。
売れない理由は、ドラマの場合、内容がパッとしない、だからタイトルやパッケージもパッとしたものが出来ない、で売れない。のだそうです。
その通りで、僕自身AVのドラマものを買いたいと思わないし、タイトルを聞いても「おっ!それ、そそるねぇ!」と思わないからです。だから結局、僕は映画好きが高じて映画監督になりたかったけどなれなかったからAVやってます、みたいな気分がにじんでいるんだと思います。
だからAVとして売れようがない。売りようもない。

サブカルAVの路線で売ることもできたかもしれないけど、実際レンタルからセルに移行したときにそんな場所も無いに等しいし、僕より尖った人が沢山いるのでそれも無理なんです。
そこで出た選択肢が「普通のAV」を撮るというものでした。とりあえずケレン味は押さえて量産型AVを作ろうと。それがGASでやった何本かなのですが、これがそんなに売れたのかというとそうでもないみたいだし、内容も中途半端だし、でもそれが仕事につながると見込んで頑張りましたが。
アリスジャパンの仁科さやかはあちこちで褒めていただきました。
でも仕事にはつながりませんでした。レンタルものだし、あれが多分僕のでは人目に一番付いてると思います。仕事がわんさかくるかと思ったのですが・・・。

「矢野さんの書く台本には、AVのお客が拒否しそうな部分が多々見受けられ、心配です」と某プロデューサーに言われたように、絡みが撮ってあるからいい、ということではなく何かこう不快なものがあるのでしょう・・・と思わざるをえません。僕としては自分の作るものはAV界の「ガンダム」であり、「ビューティフルドリーマー」であり、「エヴァ」でありたいと思ってますが力不足ということでしょう。
AVは作品ではない。
AVは商品であり、売れ残った商品は廃棄されるのみ。
内容で買うマニアもいない。エロのフェチや女優の好みで買う人はいても、内容や監督の好みで買う人はいない。いたとしても売り上げに関わる数字にはならない。
AVを作品として評価し、ライトファン層に敷衍していく批評家、メディアがない。
僕はAVをアニメ界と重ねて考えるクセがあるのだが、アニメも子供向けの玩具宣伝番組という蔑視のなかで作られていたけれど、その制約のなかで見事な深いドラマとテーマ性を描き、それが「評価され」、「一般に認知され」、「思想の一形態にまで止揚」された歴史をAVにも持ってきたかったわけです。
だから僕は富野さんじゃないから出来なかったけど、せめてもう少し批評の場が一般化してればねぇ・・・と思います。ビデオザワールドがキネ旬くらいの地位にあれば、僕でもズラウスキーぐらいの立場には・・・・・・いや無理か。
今じゃアニメ見るって言うの恥ずかしくないじゃん。僕らが学生の頃はアニメ見てるヤツって変なヤツだったんだもん。
AVって映画の1ジャンルだし、女の子が本当にセックスして生な感情をさらけ出してるドキュメンタリーとしては映画を超えてるし、生と性のリアルを描けるいいメディアだと思うんだけどねぇ。映画なら淀川長治さん、アニメなら池田憲生さんみたいな批評家がいて欲しい部分ですね。別に僕のが面白いって言ってるわけではなく、面白いAVなんて沢山あるはずなのに、それをデータ化して資料として閲覧、視聴できる環境にもっていければAVは変わると思うけどなぁ。
でもアニメがこれだけ産業として成長したのは、アニメを見る目が肥えてきて、いいアニメをみんなが購入したい、と考えるようになったからじゃないかな?ご飯のついでに見てたアニメが実は傑作だった!そういう認知がアニメを宝の山に変えたのだと思う。

・・・・・・・・・・だって、パッケージにつられて買って、中身が良くても悪くてもせんズリして、売ったり捨てたり、売れないものは買われぬまま廃棄処分。そんなAVを一生懸命作ってる自分たちって「まるで、馬鹿じゃないですか?」
いまどき、中身の良く分からないものを詐欺まがいに売りつけてるのもおかしいし、せめて店頭で視聴できるくらいにしないと売れるものも売れないと思う。レコードのジャケ買いしてた時代じゃないし、中身に自信がある弱小メーカーなら店頭でサンプルを長く見せるとか工夫が必要な気がします。ほしいものなら僕でも買うもん。

でも全部、負け惜しみです。作家売れしてるAV監督も一杯いますもんねぇ。
  1. 2007/12/30(日) 02:49:11|
  2. AVを作ること
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  4. | コメント:0
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