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キノプラ太-矢野の仕事が無いAV監督日記。

AV監督、キノプラ太-矢野の仕事覚え書き。

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AV脳。

2チャンネルのイメージフォーラム(映像研究所・専門学校みたいなもの)掲示板を読んでみた。
僕はイメフォに通っていた時期があります。
「イメフォではエログロ・チンコマンコ・げろ・ウンコ・出血のオンパレードであり、そういうのを撮ると講師が大喜びする」「内省的、露悪的で気持ち悪い映画が好まれ、受講生の女の子はとにかく脱ぎまくる」という指摘?批判?が多数書き込まれておりました。
確かにイメフォは劇映画の学校ではなく、実験映画、詩的映画の製作学校?なので、いかんせんそういうキワモノ映画が溢れかえることになります。
そこに通っているうちに「そういうものが良い映画だ」と思うような脳になるのです。
現に僕も全裸で白昼に渋谷のドブ河で這い回るような映画を作りました。
僕のなかではその表現がベストだったのだけど、第三者から見たら単なるキモイ映画でしかないわけです。でも、その学校では可愛い女の子に「感動しました!!!」とか言われながら握手を求められたりしたわけです。
・・・・・・・これをイメフォ脳、と呼ぶことにします。

人間は、思った以上に環境によって考え方、価値観が変わっていくものなのでしょう。

ではAV脳っていうものはあるのか?
AV村のみで生活していると暗黙の了解というか業界の常識というものが自分の価値観を変えてしまう部分があります。いろいろあるので、これからゆっくり考えてみるつもりですが、ひとつには、モデルの女の子に対して「お金を払っているんだから言われたことは何でもやれよ」と平気で言えてしまう感覚の麻痺。セックスに対する麻痺(より過剰な方向に行くしかない麻痺)。売れるから、刺激的だから、という理由でどんなキワモノ的行為も犯罪も容認でき、より異常な内容を考案した監督が優秀で、その異常な要求を見事にこなす女優こそがプロである。よって、第三者的には異常としか見えないような撮影を嬉々としてこなしている集団が発生する。
AVには広範に伝わる評価がない。
よって自分が作っているもの、参加しているものが何なのかを考えなくても仕事をしていける。
「作品」が面白ければ、そこに参加しているモデルや男優やスタッフやお客が傷ついてもたいしたことではないのだ。
あるいは「お金になるんだから」なんとなく売れ線のものを、そこそここなして撮って名前も誰もださずにやっとけばいいじゃん、的な意識。
女の子は限りなく機械に近くなるし、撮り方、セックスの体位、段取り、なども機械的になるし、エロいわけがないと思うのだが・・・。
「みんながまだやってないような過激で危険な撮影をするのが意欲的で格好いい」というふうな頭になってしまうのは、それこそ危険である。
で、事件になるわけです。

こういうAV脳に侵されていくのです。

職場だけでなく、家族や、友人、大きくは宗教や国家にいたるまで人間は思いのほか環境に影響されてますね。
自分の価値観って、常に洗っておかないとまずいみたいです。
自分の価値観と違う、ということだけで人は殺し合いをするからです。

怖いねえ。
  1. 2008/01/16(水) 01:38:01|
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